2026年1月2日金曜日

月収30万円、賞与が年2回で1回50万ずつ、計100万円です。また扶養家族は1人です。その場合の源泉徴収所得税はいくらですか?また1年間ずっと月収が変わらずに扶養人数も1人だった場合、年末調整の所得税の清算(過不足)はいくらになりますか?

結論だけ先に

  • 前提(かなりざっくりにするための仮定)
     ・令和7年分(2025年分)の所得税ルール
     ・「給与所得者の扶養控除等申告書」提出済み=甲欄
     ・扶養家族1人は「一般の控除対象扶養親族(38万円)」と仮定
     ・社会保険料のことは一旦無視して、「控除後も30万円・50万円」とみなす練習用の計算です

この仮定のもとで計算すると:

  1. 毎月の給与30万円の源泉所得税(甲欄・扶養1人)
    → おおよそ 6,740円/月

  2. 賞与50万円×年2回の源泉所得税(甲欄・扶養1人)
    → 直前月も30万円とすると、算出率 6.126%
    → 1回あたり 30,630円(500,000円×6.126%)
    → 年2回合計で 61,260円

  3. 1年間で源泉徴収される所得税合計(給与+賞与)

    • 給与分:6,740円×12か月 = 80,880円

    • 賞与分:30,630円×2回 = 61,260円
      ⇒ 合計 142,140円

  4. 年末調整で本来の年税額(所得税+復興税)を計算すると約 102,600円
     (詳しい計算は後述)

➡ よって、
源泉しすぎ:142,140円 − 102,600円 = 39,540円 還付
(年末調整で約4万円戻ってくるイメージ


2. 思考プロセスと根拠

ステップ1:前提条件・論点の整理(実行プロセスSTEP1)

ご質問の論点はざっくり言うと:

  1. 「毎月30万円+賞与50万円×2、扶養1人のとき、支給の都度の源泉所得税はいくらか

  2. 「1年通じて条件が変わらなかった場合、年末調整でいくら過不足が出るか

しかし、本来の源泉税・年末調整額には必ず

  • 社会保険料(健保・厚年・雇用・介護など)

  • 生命保険料控除・地震保険料控除・配偶者控除・住宅ローン控除 等

が効いてきます。
これが分からないと正確な税額は出せません

そこで今回は、

  • 社会保険料等は考慮しない

  • 扶養家族1人は「一般の控除対象扶養親族」(扶養控除38万円)と仮定

  • 住宅ローン控除などは無い前提

という練習用のシンプルなケースとして計算しています。


ステップ2:そもそも税額表の対象になるか等の確認(適用除外チェック:STEP2)

  • 給与:月30万円 ⇒ 令和7年分月額表の「甲欄・(三) 290,000円〜439,999円」に完全に収まる。 国税庁

  • 賞与:年2回・各50万円 ⇒ 「前月給与あり」「賞与額が前月給与の10倍以下」なので、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を使う通常ケースに該当 国税庁+1

特別な適用除外(例えば、前月給与なし・賞与が極端に大きいなど)はないので、標準的な源泉徴収の計算がそのまま使えます。


ステップ3:毎月の給与30万円の源泉所得税(甲欄)の計算(STEP3-1, 3-2)

3-1. 税額表の確認

国税庁の「給与所得者の源泉徴収税額表(令和7年分)月額表」より、
甲欄・(三) 290,000〜439,999円の部分を確認します。 国税庁

該当行(抜粋):

299,000 ~ 302,000円
扶養0人:8,420円/扶養1人:6,740円/扶養2人:5,130円 … 国税庁

※表の金額は、所得税+復興特別所得税を含む源泉徴収税額です。

3-2. 今回の前提への当てはめ

  • 「社会保険料等控除後の給与等の金額」=300,000円と仮定
     → 299,000〜302,000円の行に該当

  • 甲欄・扶養親族等の数=1人

したがって、
毎月の源泉徴収税額=6,740円(所得税+復興税込み)


ステップ4:賞与50万円の源泉所得税の計算(STEP3-1, 3-2)

4-1. 算出率の表の使い方(公式ルール)

国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和7年分)」では、 国税庁

  1. 前月の給与の「社会保険料等控除後の金額」を求める

  2. 扶養親族等の数とその金額に応じて、甲欄の該当行を探す

  3. その行に書いてある「賞与の金額に乗ずべき率」を、賞与の社会保険料等控除後の金額に掛ける

と定められています。 国税庁

4-2. 今回の数値の当てはめ

前提として

  • 前月の社会保険料等控除後の給与=30万円と仮定(=300千円)

  • 扶養親族等の数=1人

「算出率の表」のうち、扶養1人の欄を見ると:

6.126% 282千円 以上 ~ 338千円 未満(扶養1人の列) 国税庁

前月給与300千円はこのレンジに入るので、**賞与に乗ずべき率=6.126%**です。

さらに、

  • 賞与の社会保険料等控除後の金額=50万円と仮定

したがって、賞与1回あたりの源泉税は

500,000円 × 6.126% = 30,630円

よって、

  • 賞与1回あたりの源泉徴収税額:30,630円

  • 年2回支給 ⇒ 賞与分源泉税の年間合計:61,260円


ステップ5:1年間の源泉徴収済み税額の合計(STEP3)

  • 給与分:6,740円 × 12か月 = 80,880円

  • 賞与分:30,630円 × 2回 = 61,260円

年間の源泉徴収済税額合計=142,140円


ステップ6:年末調整で求める「本来の年税額」の計算(STEP3)

ここから「年末調整のしかた」(国税庁)に沿って、年調年税額を求めます。 国税庁

6-1. 年間の給与収入と給与所得控除

年間の給与収入:

月給30万円 × 12か月 + 賞与50万円 × 2回
= 3,600,000円 + 1,000,000円 = 4,600,000円

令和7年分の給与所得控除は国税庁タックスアンサーNo.1410のとおり: 国税庁

令和7年分以降
3,600,001円~6,600,000円 ⇒ 収入金額×20%+440,000円

よって、

給与所得控除額=4,600,000×20%+440,000
= 920,000 + 440,000 = 1,360,000円

給与所得(いわゆる「所得金額」)は:

4,600,000円 − 1,360,000円 = 3,240,000円

6-2. 所得控除(基礎控除+扶養控除)の仮定

令和7年度税制改正により、基礎控除は合計所得金額に応じて次のように引き上げられています。 国税庁+1

  • 合計所得金額132万円超〜336万円以下 → 基礎控除 88万円 など

今回のケースでは、「給与所得のみ」と仮定した合計所得金額は3,240,000円(=324万円)で、
132万円超〜336万円以下に入るため、基礎控除額=88万円と判断できます。 国税庁+1

また、扶養控除(所得税)は国税庁タックスアンサーNo.1180のとおり: 国税庁+1

  • 一般の控除対象扶養親族:38万円

  • 特定扶養親族:63万円

  • 老人扶養親族:48万円または58万円

ご質問では「扶養家族1人」とだけあり、年齢区分など不明なので、
もっとも一般的な「一般の控除対象扶養親族:38万円」と仮定します。

したがって(他の控除は無いと仮定すると)所得控除の合計は:

基礎控除 880,000円 + 扶養控除 380,000円
1,260,000円

6-3. 課税給与所得金額

課税給与所得金額
= 給与所得 3,240,000円 − 所得控除合計 1,260,000円
1,980,000円

この金額には1,000円未満は無いので、そのまま使います。 国税庁+1

6-4. 所得税の速算表による算出所得税額

令和7年分の「年末調整のための算出所得税額の速算表」によると: 国税庁

  • 課税給与所得金額 1,950,000円以下 ⇒ 税率5%

  • 1,950,000円超〜3,300,000円以下 ⇒ 税率10%、控除額97,500円

今回は 1,980,000円なので、

算出所得税額
= 1,980,000円 ×10% − 97,500円
= 198,000円 − 97,500円
100,500円

これが「所得税のみ」の金額です。

6-5. 復興特別所得税(2.1%)を加算して年調年税額に

年末調整のしかた(No.2662)では、 国税庁+1

「算出された所得税額−住宅ローン控除等」を
102.1%掛け(復興特別所得税)、100円未満切捨て
⇒ その年に納めるべき所得税及び復興特別所得税の額(年調年税額)

とされています。

今回、住宅ローン控除などは無しと仮定すると、

年調年税額(所得税+復興税)
= 100,500円 × 102.1%
≒ 102,610.5円
100円未満切捨てで 102,600円


ステップ7:源泉徴収済額との差額(過不足)の算出(STEP3, STEP4)

  • 源泉徴収済額合計:142,140円(給与+賞与)

  • 年末調整で計算した年税額:102,600円

差額(源泉 − 年税額):

142,140円 − 102,600円 = 39,540円

よって、

  • 1年間を通じて見ると「39,540円の納めすぎ

  • 年末調整で、**39,540円が還付(給与で戻ってくる)**イメージになります。


3. 根拠資料一覧

(すべて公的・一次情報を優先)

  1. 国税庁「給与所得者の源泉徴収税額表(令和7年分)月額表(甲欄)」 国税庁

  2. 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和7年分)」 国税庁

  3. 国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」 国税庁

  4. 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」および速算表別紙(基礎控除額表・算出所得税額速算表) 国税庁+1

  5. 国税庁 タックスアンサー No.1180「扶養控除」 国税庁+1

  6. 国税庁 タックスアンサー No.2662「年末調整のしかた」 国税庁+1


4. 注意事項・リスク(自己チェックの結果)

  • 社会保険料を無視している点が最大の注意点

    • 実務では「社会保険料等控除後の給与等の金額」を使うため、
      健保・厚年・雇用・介護の加入状況によって月額・賞与の振れ幅はかなり大きくなります。

    • 同じ年収でも、社保の有無(たとえば週30時間未満の短時間勤務など)で源泉税額は変わります。

  • 扶養家族1人の中身を「一般の扶養親族 38万円」と仮定している

    • 実際には「特定扶養親族(19〜23歳)」や「老人扶養親族」などで控除額が変わる可能性があります。 国税庁+1

    • 配偶者控除・配偶者特別控除がある場合も、税額は変動します。 国税庁+1

  • 基礎控除は2025・2026年分限定の上乗せ特例が絡むため、年や所得水準で金額が変わる

    • ここでは令和7年分の基礎控除(最高95万円〜最低58万円)を前提にしていますが、
      令和9年分以降は上乗せが縮小されるため、今と同じ条件でも税額が変わり得ます。 国税庁+1

  • 他の所得控除(社会保険料、生命保険、地震保険、小規模企業共済、医療費等)を入れると年税額は下がる
    → 年末調整の還付額は、今回の計算よりもさらに大きくなるケースが多いです。

  • 定額減税や住宅ローン控除など、令和6年以降の新制度・既存制度を考慮していない
    → 実際の年末調整では、これらの税額控除により「さらに税額が減る」可能性があります。 益田市公式サイト+1

  • 月途中の昇給・賞与額の変動・扶養人数の変動があれば、実際の過不足は大きく変わる
    → 今回は「1年間ずっと同条件」で単純化している点に注意が必要です。

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