結論(ざっくり)
前提をかなり細かく置いた概算になりますが、
年末調整の結果、源泉徴収し過ぎになっていて、ざっくり約12万 500円(正確に約120,500円)程度の還付(マイナス過不足)になる想定
というイメージになります。
以下は、令和7年分(2025年分)・協会けんぽ料率9.77%・厚生年金18.30%・雇用保険率0.55%・40歳未満・扶養0人など、かなり具体的な仮定を置いたうえでの「計算練習用シミュレーション」です。
※実務では、都道府県ごとの健康保険料率や年齢、扶養人数、賞与支給タイミングなどで数字がだいぶ動きますので、あくまで考え方のたたき台として見てください。
2. 思考プロセスと根拠
ステップ1:論点整理
ご質問の趣旨を整理すると、
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年収
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月給:100万円 × 12か月 = 1,200万円
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賞与:100万円 × 1回 = 100万円
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総支給:1,300万円
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所得控除は
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社会保険料控除(協会けんぽ+厚生年金+雇用保険)
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基礎控除
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所得金額調整控除
のみがあるものとする(配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除などはゼロと仮定)
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令和7年分の税制(基礎控除の引上げ・給与所得控除の見直し後)で考える
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社会保険(協会けんぽ)、標準報酬月額・賞与も考慮して、
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①毎月・賞与の源泉徴収税額合計
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②年末調整計算による年税額(所得税+復興特別所得税)
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③①−②の過不足税額
を出したい
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というシナリオです。
ステップ2:適用除外等の確認
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年収1,300万円 → 年間給与2,000万円以下なので、年末調整の対象外にはならない(2,000万円超だと年末調整対象外)
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所得金額調整控除は「給与収入850万円超+一定の要件(特別障害者・23歳未満の扶養親族等)」で適用可能。ここでは要件を満たしている前提で15万円フルに使えるケースとして計算します。
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基礎控除は、合計所得金額が2,350万円以下なら58万円(令和7年分)でOK。ここでは他所得なし前提で合計所得は1,105万円程度なので58万円。
→ 特段の「適用除外」はなく、そのまま本格計算に進みます。
ステップ3:詳細計算(本質分析フロー)
3-1. 前提条件(かなり細かく固定)
計算を完遂するために、以下の仮定を置いています。
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対象年:令和7年分(2025年分)
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被保険者:40歳未満(= 介護保険料なし)
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健康保険:協会けんぽの一例として健康保険料率9.77%(本人・会社折半)、厚生年金保険料率18.30%(本人・会社折半)を使用
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雇用保険:令和7年度 一般の事業 労働者負担 0.55%
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扶養親族等の数:0人として源泉徴収税額表(甲欄 0人)を使用
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※現実には所得金額調整控除を受ける要件と矛盾する可能性がありますが、「計算練習」として割り切り。
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賞与は年1回100万円のみ
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生命保険・地震保険・小規模企業共済・住宅ローン控除など一切なし
3-2. 社会保険料(協会けんぽ)概算
月給100万円に対して:
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標準報酬月額(健康保険):便宜上100万円と仮定(実際は等級表で決まる)
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標準報酬月額(厚生年金):上限等級65万円で頭打ち年金機構
月額社員負担:
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健康保険:1,000,000 × 9.77% ÷ 2 ≒ 48,850円
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厚生年金:650,000 × 18.30% ÷ 2 = 59,475円
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雇用保険:1,000,000 × 0.55% = 5,500円
→ 月の本人負担合計 ≒ 113,825円
賞与100万円に対して(標準賞与額そのままと仮定):
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健康保険:1,000,000 × 9.77% ÷ 2 = 48,850円
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厚生年金:1,000,000 × 18.30% ÷ 2 = 91,500円
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雇用保険:1,000,000 × 0.55% = 5,500円
→ 賞与時の本人負担合計 ≒ 145,850円
年間の社会保険料控除額(本人負担分)
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毎月分:113,825円 × 12か月 = 1,365,900円
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賞与分:145,850円 × 1回 = 145,850円
社会保険料控除額合計 ≒ 1,511,750円
(所得税法74条の社会保険料控除に該当)
3-3. 給与所得の金額(給与所得控除)
令和7年分の給与所得控除は、給与収入が850万円超の場合は控除額195万円(上限)。
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給与収入合計:13,000,000円
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給与所得控除額:1,950,000円(上限)
給与所得の金額 = 13,000,000 − 1,950,000 = 11,050,000円
これは「給与所得控除後の給与等の金額」と同じ概念です。
3-4. 所得控除額の合計
ここで差し引く「所得控除」は、以下3つに限定しています。
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社会保険料控除:1,511,750円(上で計算)
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基礎控除(令和7年・合計所得金額655万円超2,350万円以下 → 58万円)
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→ 580,000円
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所得金額調整控除(給与収入850万円超、一定要件あり)
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控除額 =(年間給与の総額(上限1,000万円)− 850万円)×10%、上限15万円
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ここでは給与総額1,300万円だが上限1,000万円で頭打ち
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→ (10,000,000 − 8,500,000) × 10% = 150,000円(上限ちょうど)
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所得控除合計
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1,511,750 + 580,000 + 150,000
= 2,241,750円
3-5. 課税給与所得金額(年末調整用)
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給与所得の金額:11,050,000円
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所得控除合計:2,241,750円
差引課税給与所得金額(千円未満切捨て)
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11,050,000 − 2,241,750 = 8,808,250円
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1,000円未満切捨て → 8,808,000円
課税給与所得金額 A = 8,808,000円
3-6. 年調所得税額 → 年調年税額(復興特別所得税込み)
速算表(令和7年分)より、
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6,950,000円超 9,000,000円以下 → 税率 23%、控除額 636,000円
なので、
算出所得税額(=年調所得税額)
= 8,808,000 × 23% − 636,000
= 1,389,840円
次に、復興特別所得税を含めた年調年税額にするため、年調所得税額に102.1%を乗じ、100円未満切捨てします。
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1,389,840 × 102.1% = 1,419,026.64円
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100円未満切捨て → 1,419,000円
年末調整後の最終的な年税額(所得税+復興特別所得税)
= 1,419,000円
3-7. 源泉徴収済みの税額(毎月+賞与)
① 毎月の源泉所得税(令和7年分 月額表 甲欄 0人)
まず、「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」を求めます。
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月額総支給:1,000,000円
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社会保険料等(本人分):113,825円
→ 社会保険料控除後の給与等の金額
= 1,000,000 − 113,825 ≒ 886,175円
源泉徴収税額表(令和7年分 月額表 甲欄)では、
-
「780,000円を超え 950,000円に満たない金額」欄
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扶養親族等0人の場合、税額は
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780,000円のとき:81,560円
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780,000円超〜950,000円未満:
81,560円+(金額 − 780,000円)×23.483%
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ここに 886,175円を入れると概算で、
月額源泉所得税 ≒ 106,493円
(円未満切捨てで 106,493円)
年間(12か月分)
106,493円 × 12か月 = 1,277,916円
② 賞与の源泉所得税
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前月の社会保険料等控除後の給与等の金額
→ 上と同様に 886,175円 ≒ 886千円 -
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和7年分)」に当てはめる
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甲欄・扶養親族等0人で「846千円以上 914千円未満」に該当
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このゾーンの率:30.630%
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賞与の社会保険料控除後の金額
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賞与:1,000,000円
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控除社会保険料:145,850円
→ 1,000,000 − 145,850 = 854,150円
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賞与の源泉所得税額
= 854,150 × 30.630% ≒ 261,626円(円未満切捨て)
③ 源泉徴収税額合計
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毎月分:1,277,916円
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賞与分:261,626円
源泉徴収済み税額合計 ≒ 1,539,542円
3-8. 年末調整での過不足税額
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年調年税額(正しい1年分の税額):1,419,000円
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源泉徴収済み税額合計:1,539,542円
過不足税額 = 年調年税額 − 源泉徴収済み税額
= 1,419,000 − 1,539,542 = −120,542円
マイナスということは、源泉徴収し過ぎなので、
年末調整で従業員へ還付される金額:
おおよそ 120,500円(今回の前提では 120,542円)
という結果になります。
3. 根拠資料一覧(主な公的資料)
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国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」
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給与所得の源泉徴収税額表(月額表・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 等)
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国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」
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算出所得税額の速算表、年調年税額の計算式(102.1%)等
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国税庁タックスアンサー No.1410「給与所得控除」など(令和7年分)
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国税庁「令和7年分の年末調整のための算出所得税額の速算表」
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全国健康保険協会(協会けんぽ)「保険料額表(令和6年3月分~)」(健康保険料率9.77%・厚生年金18.30% 等)協会けんぽ
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厚生労働省「令和7年度 雇用保険料率について」(一般の事業 労働者負担0.55%)
4. 注意事項・リスク(自己批判)
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保険料率の前提
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協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なります。ここでは9.77%のケース(例:千葉支部)を前提としましたが、実際の会社所在地・年度の料率によって社会保険料も税額も変わります。
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標準報酬月額・標準賞与額の近似
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月給100万円に対し、標準報酬月額を便宜的に「100万円」で計算していますが、実際の等級表では「○○万円~○○万円の範囲→標準報酬××万円」と刻まれているため、数千円単位の差が出ます。
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年齢(介護保険)の取り扱い
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40歳以上65歳未満の場合は介護保険料が加わり、健康保険料が上振れします。その場合、社会保険料控除も源泉所得税も数字が変わります。
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所得金額調整控除の要件
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実際には「23歳未満の扶養親族」や「特別障害者」等の要件があり、要件を満たすと本来は扶養控除・障害者控除等の他の控除も発生し得ます。
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ご質問の「基礎控除と所得金額調整控除以外は受けられないものとして」という前提は、実務上はやや不自然な仮定であり、同じ状況が現実に起こるとは限りません。
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扶養親族等の数と源泉徴収税額表
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今回は源泉徴収税額表上の「扶養親族等の数=0人」で計算していますが、実際に所得金額調整控除を受ける要件を満たす場合、年末調整上は別の控除(扶養控除等)が発生し、源泉徴収簿の扱いも変わります。
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源泉税額表の端数処理
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本回答では「○○.××円 → 円未満切捨て」という形で概算していますが、実務上は税額表・算出率表自体が端数処理済みのため、1円~数十円レベルのズレが発生し得ます。
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他の控除・税額控除は全て無視している
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社会保険料以外の所得控除(生命保険、地震保険、小規模企業共済、医療費控除、ふるさと納税による寄附金控除等)や、住宅ローン控除などの税額控除を一切考慮していません。実務ではここが大きく効くケースも多いです。
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あなたが前提にしていたケースに、
生命保険料控除120,000円が満額で追加されると、年末調整での還付額は「28,200円」増えます。
2. 計算プロセス(ざっくり)
前回の条件を引き継いでいます(課税所得は8,808,000円・税率23%ゾーン)。
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課税所得の減少
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追加の所得控除:生命保険料控除 120,000円
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新しい課税所得
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8,808,000円 − 120,000円 = 8,688,000円
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所得税額の変化(国税部分)
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税率:23%、控除額:636,000円(6,950,000超〜9,000,000以下のゾーン)
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生命保険料控除分による所得税の減少分:
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120,000円 × 23% = 27,600円
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復興特別所得税も含めた年税額の差
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復興特別所得税は「所得税額×2.1%」なので、
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27,600円 × 2.1% ≒ 579円
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したがって、理論上の合計減税効果は
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27,600円 + 約579円 ≒ 28,179円
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-
実際の年調年税額の差(端数処理込み)
年末調整では
年調所得税額 × 102.1%を計算し、100円未満切り捨て
という処理をするため、実際に計算すると
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生命保険料控除 なし:年税額 1,419,000円
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生命保険料控除 あり:年税額 1,390,800円
→ 差額:1,419,000 − 1,390,800 = 28,200円
なので、
生命保険料控除120,000円が追加されることで、還付額は「28,200円」増える
という整理になります。
3. 注意ポイント
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今回の「28,200円増える」という結果は、
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前回あなたと一緒に固定した前提(年収1,300万円、協会けんぽ料率、標準報酬の置き方、40歳未満、扶養0人、他控除なし 等)をそのまま引き継いでいます。
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保険料率や年齢(介護保険)、標準報酬の等級、他の所得控除や税額控除が入ると、数字は変わります。
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所得税率が23%帯だからこそ「12万円の控除 → 約2.8万円の還付増」というイメージになっています。
他の年収帯(税率20%や33%など)だと、増える還付額も変わります。
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