結論
生命保険料控除でいう「親族」とは、民法上の親族と同じ範囲で、
①六親等内の血族、②配偶者、③三親等内の姻族までを指します。keisan.nta.go.jp+1
したがって、生命保険料控除の要件である
「保険金等の受取人が自己または自己の配偶者その他の親族」
の「親族」は、この範囲の人すべてが該当します。国税庁+1
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思考プロセスと根拠
(ステップ1)質問の論点整理
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論点①:生命保険料控除の要件としての
「保険金等の受取人が自己又は自己の配偶者その他の親族であること」
における「親族」の意味・範囲。国税庁+1 -
論点②:この「親族」に、どこまでの親等が含まれるか(いとこ、叔父叔母、義理の親族などを含むか)。
(ステップ2)適用除外・特別な定義がないかの確認
国税庁タックスアンサー「No.1140 生命保険料控除」及び「No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等」を確認すると、
「保険金等の受取人のすべてを、その保険料等の払込みをする方又はその配偶者その他の親族とするもの」
とされているものの、ここで**特別に狭い意味の「親族」**が定義されている記載はありません。国税庁+1
また、令和7年分の「給与所得者の保険料控除申告書」の記載要領でも、
「保険金等の受取人は、あなた又はあなたの配偶者や親族(個人年金保険料については親族を除きます。)であることが必要です。」国税庁
とあるのみで、やはり「親族」を生命保険料控除のために別定義している記載はありません。
→ よって、ここでいう「親族」は、所得税法全般で用いられる通常の「親族」の意味(=民法上の親族)と解すべきと判断しました。
(ステップ3)詳細な法的解釈
3-1. 所得税法における「親族」の一般定義の確認
国税庁の「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」では、所得税法上の「親族」について次のように明示されています。
所得税法における「親族」は、民法の規定による親族、すなわち、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族とされています。国税庁
また、国税庁の「親族の範囲」に関する解説ページでも、同様に
親族とは、①六親等内の血族、②配偶者、③三親等内の姻族をいいます。keisan.nta.go.jp
とされています。
→ したがって、**所得税における「親族」は一貫して「六親等内の血族+配偶者+三親等内の姻族」**と解釈されていることが確認できます。
3-2. 民法上の親族の範囲
民法は親族について、条文上「六親等内の血族、配偶者及び三親等内の姻族」と定義しており(民法725条)、これが上記国税庁解説の根拠となっています。電子政府法令検索+1
3-3. 生命保険料控除の要件への当てはめ
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生命保険料控除の対象となる契約は、
「保険金等の受取人のすべてを、その保険料等の払込者またはその配偶者その他の親族とするもの」国税庁 -
所得税法上の「親族」は、上記のとおり「六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族」。国税庁+1
よって、生命保険料控除における保険金受取人として認められる「親族」の範囲も、六親等内の血族と三親等内の姻族+配偶者までと結論づけられます。
3-4. 具体例(親等イメージ)
代表的なところだけ例示すると、次のようになります(「受取人としての親族」に該当するかどうか):
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○ 該当する例(いずれも親族)
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自分の両親・祖父母・曾祖父母など(血族2〜4親等以内)
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子・孫・ひ孫など(血族1〜3親等以内)
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兄弟姉妹(血族2親等)
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甥・姪(血族3親等)
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いとこ(血族4親等)
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配偶者
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配偶者の父母・祖父母(姻族1〜2親等)
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配偶者の兄弟姉妹・おじ・おば・甥・姪(姻族2〜3親等)
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× 親族に含まれない(一例)
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いとこの配偶者(姻族4親等 → 「三親等内の姻族」を超える)
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友人・同僚など血縁・婚姻関係のない人
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これら「親族」に該当する範囲内であれば、受取人要件の「親族」に含まれることになります。
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根拠資料一覧
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国税庁タックスアンサー「No.1140 生命保険料控除」国税庁
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国税庁タックスアンサー「No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等」国税庁
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国税庁「親族の範囲」(よくある質問)keisan.nta.go.jp
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国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」Q3(所得税法における親族の定義)国税庁
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令和7年分「給与所得者の保険料控除申告書」記載要領(保険金等の受取人の要件)国税庁+1
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民法(明治29年法律第89号)第725条(親族の範囲)電子政府法令検索+1
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注意事項・リスク
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(1) 親等の数え方の誤りリスク
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「いとこの配偶者」など、日常感覚では「親戚」として扱われやすい人でも、民法上の親族から外れる場合があります(いとこの配偶者は姻族4親等 → 親族に含まれない)。
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実務では、親等を図表で確認しながら判定することが望ましいです。keisan.nta.go.jp
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(2) 誰が生命保険料控除を取れるかは、別の論点
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今回の回答は「受取人としての『親族』の範囲」のみを扱っています。
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実際に生命保険料控除を適用できるかどうかは、
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契約者・保険料負担者は誰か
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その人と受取人の関係
などによって変わります。契約形態によっては、「受取人が親族でも控除が取れない」ケースもあり得ますので、個別の契約内容の確認が必要です。国税庁
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(3) 個人年金保険料控除は取り扱いが一部異なる
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国税庁の記載要領では、個人年金保険料については「親族を除く」と明記されており、年金受取人は契約者本人またはその配偶者に限定されます。国税庁
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したがって、親族であっても子や親などを年金受取人にしている契約は、個人年金保険料控除の対象外となり得ます。
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(4) 国外居住親族の場合の書類要件
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親族の範囲自体は国内居住者と同じですが、国外居住親族については、親族関係や送金事実を証明するための書類提出が求められます(扶養控除等での取扱い)。国税庁
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生命保険料控除とは別制度ですが、「親族」の確認という意味では留意点になり得ます。
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(5) 法令改正リスク
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本回答は、令和7年11月19日時点で公表されている国税庁・e-Gov等の情報に基づいています。将来の税制改正等により、生命保険料控除の要件や取扱いが変更される可能性があります。最新のタックスアンサーや法令を都度確認する必要があります。国税庁+1
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