結論
はい、「原則どおりの毎月納付」の事業所であれば、
12月10日支給の賞与から源泉徴収した所得税も、12月25日給与から源泉徴収した所得税もまとめて、翌年1月10日までに納付すれば足ります。
ただし、「納期の特例」を使っているかどうかで納付期限が変わります(後述)。
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思考プロセスと根拠
(ステップ1)質問の論点整理
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12/10 賞与支給
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12/25 給与支給
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質問:12/10賞与分の源泉所得税を、12/25給与分と合わせて「1/10」にまとめて納付してよいか?
→ 論点は「源泉所得税の納付期限は『支払日単位』なのか『支払月単位』なのか」という点。
(ステップ2)適用除外・大枠ルールの確認
国税庁のパンフレットでは、源泉徴収した所得税の納付について、次のとおり定められています。
「源泉徴収義務者が源泉徴収をした所得税は、原則として、その源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日までに納付しなければならない」国税庁
ここでポイントは
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「支払った日」ではなく「**支払った“月”**の翌月10日」
となっていることです。
したがって、同じ12月中に支払った給与・賞与であれば、「12月分」としてまとめて翌年1月10日が納期限になります。
支払日が12/10であっても12/25であっても、どちらも「12月支給分」なので、納期限は同じです。
(ステップ3)詳細な法的解釈
3-1. 源泉徴収の時期と納付期限
同じ国税庁パンフレットでは、
とされています。
これを今回のケースに当てはめると:
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12/10 賞与支給
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この日に賞与の所得税を源泉徴収する
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12/25 給与支給
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この日に給与の所得税を源泉徴収する
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どちらも「12月支払分(給与等)」
→ 12月に源泉徴収した給与・賞与分の所得税は、翌年1月10日までにまとめて納付
よって、納付そのものは「月単位で合算して納付」でよく、支給日が月内で複数あっても構わないという整理になります。
3-2. 「納期の特例」を使っている場合
一方、給与支給人員が常時10人未満で、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し、納期の特例の承認を受けている場合は、納付期限が変わります。
国税庁パンフレットでは、納期の特例について次のように定めています。
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給与等の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者が承認を受けた場合
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1~6月に源泉徴収した所得税…7月10日
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7~12月に源泉徴収した所得税…翌年1月10日(※納期限の特例を別途出せば1月20日)国税庁
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→ 12/10賞与・12/25給与はどちらも「7~12月」に含まれるため、
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通常の「納期の特例」:翌年1月10日
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「納期限の特例」の届出もしていれば:翌年1月20日国税庁
いずれにしても、12月支給分をまとめて翌年1月の納期限までに納付する整理は変わりません。
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根拠資料一覧
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国税庁『所得税の源泉徴収のしかた(令和◯年版)』
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第1 所得税の源泉徴収制度の概要
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「源泉徴収をする時期」「源泉徴収をした所得税の納付(納付期限)」「納期の特例」等の項目 国税庁
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国税庁タックスアンサー No.2505「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」国税庁
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国税庁「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請(A2-8)」案内ページ国税庁
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国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」
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源泉所得税の納期限(原則:支払月の翌月10日/特例の場合の取扱い)国税庁
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注意事項・リスク
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源泉徴収自体は支給日ごとに必要
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12/10賞与の所得税は、12/10の支給時点で必ず源泉徴収しておく必要があります。
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「12/25の給与のときにまとめて天引きすればよい」ということではありません(あくまで納付をまとめるだけ)。
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「納期の特例」を使っているかどうかで納付期限が変わる
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通常:支払月の翌月10日
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納期の特例(7~12月分):翌年1月10日
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さらに「納期限の特例」の届出をしている場合:翌年1月20日
→ 自社がどの区分か、税務署への届出状況を必ず確認する必要があります。
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納期限が土日祝・年末年始に当たる場合の取り扱い
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納期限が土曜日・日曜日・祝日などの場合には、その翌開庁日が納期限となります。国税庁
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遅延した場合のリスク
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納期限までに納付しないと、原則として延滞税や不納付加算税の対象となり得ます。国税庁
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今回の回答の前提
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12/10支給のものが「退職手当」や、その他別区分の所得ではなく、通常の「給与・賞与(給与所得)」として源泉徴収するケースを前提にしています。
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役員退職金など、所得区分が異なる場合は別のルールも絡むため、個別検討が必要です。
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