1. 結論
安衛法などで出てくる「業種別(例:安全委員会が必要な業種/100人で総括安全衛生管理者が必要な業種)」の**“自社がどの業種に当たるか”は、原則として事業者(会社側)が、自社の実態に即して判断して決めます**。行政が事前に「あなたはこの業種」と指定してくれる仕組みではありません。
(根拠:発基第91号通達「事業場の業種の区分は、その業態によって個別に決する」等、出典:(厚生労働省))
2. 思考プロセスと根拠
ステップ1:論点整理
「業種別」という区分がある以上、実務では
だれが業種を判定するのか
どの単位で判定するのか(会社全体か、事業場か)
兼業・本社機能のみの場合はどうするのか
が論点になります。
ステップ2:適用単位の確認(事業場単位が基本)
安衛法は、安全衛生管理体制等を事業場を単位に、業種・規模に応じて適用する建付けです。
(根拠:発基第91号通達「この法律は、事業場を単位として…」等、出典:(厚生労働省))
ステップ3:誰が・どう決めるか(一次情報ベース)
1) 「誰が決めるか」=事業者が実態で判定(自己判定)
厚労省の基本通達(発基第91号)で、**業種区分は「その業態によって個別に決する」**と明記されています。
つまり、会社(事業者)が、各事業場の実態を見て該当業種を決め、その前提で必要な体制整備(委員会、管理者等)を行います。
(根拠:発基第91号通達 四(一)「事業場の業種の区分については、その業態によって個別に決する」等、出典:(厚生労働省))
2) 本社・支店が「管理事務だけ」の場合は、現場の業種と切り離して判定
同じ通達で、経営・人事などの管理事務をもっぱら行う本社・支店は、管理先の現場の業種とは無関係に決める(例:製鉄所を管理する本社は「その他の業種」)とされています。
(根拠:発基第91号通達 四(一)・具体例、出典:(厚生労働省))
3) 「業種」の当て方の基準として、日本標準産業分類を使う(ただし例外もある)
安衛法施行令第2条などで使う業種区分について、通達(基発0313第2号等)で
**「原則として日本標準産業分類による」一方、改定時に例外的な取扱い(例:コンビニ等は当分の間“その他の業種”)**が示されています。
(根拠:基発0313第2号、労働局の解説、出典:(都道府県労働局所在地一覧))
4) そもそも「業種別の表」は行政が示している(=決め方の前提は公表されている)
例えば厚労省FAQには、安全委員会・衛生委員会の要否が業種×人数で表になっています。事業者は、自社の事業場をその表のどこに当てはめるかを判定します。
(根拠:厚労省FAQ(安全委員会・衛生委員会の業種別表)、出典:(厚生労働省))
3. 根拠資料一覧
厚生労働省(通達)「労働安全衛生法の施行について(昭和47年9月18日 発基第91号)」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2042&dataType=1&pageNo=1 (厚生労働省)厚生労働省(通達)「日本標準産業分類の改定に伴う労働安全衛生法施行令第2条等の取扱いについて(令和6年3月13日 基発0313第2号)」
https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/1_honsyotsutatsu.pdf (都道府県労働局所在地一覧)厚生労働省FAQ「安全委員会、衛生委員会について教えてください。」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/1.html (厚生労働省)
4. 注意事項・リスク
**兼業(同一拠点で複数事業)**だと、どれが「その事業場の業態」かが争点になりやすいです。発基第91号通達では、同一場所でも労働態様が著しく異なる部門は、切り離して別個の事業場として扱う例も示されています(診療所、整備工場、給食場など)。 (厚生労働省)
日本標準産業分類どおりに機械的に当てはめると誤る例外が、通達で出ることがあります(例:分類改定に伴う暫定取扱い)。 (都道府県労働局所在地一覧)
結論としては「事業者が決める」ですが、迷うケースは所轄労基署(労働基準監督署)や都道府県労働局に事前相談して、判断根拠(どの業態で、なぜその業種にしたか)を残すのが実務上安全です(調査対応の説明が楽になります)。
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