1. 結論
36協定(時間外・休日労働協定)を「締結・届出」していないのに、法定時間外労働(残業)や法定休日労働をさせた場合、労働基準法違反となり、刑事罰(原則:6か月以下の懲役(※)または30万円以下の罰金)があり得ます。(根拠:労働基準法の労働時間規制/罰則、出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf、https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo54_1.html) (厚生労働省)
また、法人(会社)も「両罰規定」により罰金の対象になり得ます。(根拠:労働基準法の両罰規定、出典:https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/var/rev0/0119/5825/2017424121542.pdf) (都道府県労働局)
(※)近年の法改正で「拘禁刑」表記に置き換わる法令もありますが、厚労省資料では上記の表現で案内されています。 (厚生労働省)
2. 思考プロセスと根拠
ステップ1:質問の論点整理
論点は「36協定を届出していない状態で、残業・休日労働をさせた場合に、どんな罰則があり得るか」です。
36協定は、法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)や法定休日を超えて働かせる“ため”の例外手続です。(根拠:労働時間の原則、出典:
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken02/jikan.html) (厚生労働省)
ステップ2:適用除外等の確認(簡易判定フロー)
次のいずれかなら、「届出していない=直ちに罰則」ではない可能性があります。
そもそも残業・休日労働をさせていない
36協定は「時間外・休日労働をさせる場合」に必要なので、実態として法定時間外・法定休日労働が無ければ、この論点の“違反”自体が成立しません(別論点はあり得ます)。
(根拠:36協定が必要となる場面、出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf) (厚生労働省)
労働時間規制の適用除外・別枠に該当する人だけ(例:管理監督者など)
適用除外の有無で結論が変わり得ます(ただし実務上、管理監督者該当性は争点になりやすいです)。
(根拠:労基法の適用範囲・整理資料、出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001215193.pdf) (厚生労働省)
ご質問は一般に「(適用のある労働者に)残業等をさせているのに36協定未届」という前提で聞かれることが多いので、以下はその前提で説明します。
ステップ3:詳細(本質分析フロー)
3-1. 「未届で残業・休日労働」だと何が違法になるか
法定労働時間を超えて残業させるには、36協定の締結+所轄労働基準監督署長への届出が必要、と厚労省が明示しています。
(根拠:36協定の届出が必要、出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf) (厚生労働省)行政手続(e-Gov電子申請の手続概要)でも、届出によって協定の範囲で法定労働時間を延長できる旨が整理されています。
(根拠:36協定届の手続概要、出典:https://shinsei.e-gov.go.jp/recept/procedure/lists/procedureInformation?gtaTetCd=4950013320677) (shinsei.e-gov.go.jp)
3-2. あり得る刑事罰(罰則)
36協定を締結・届出しないで時間外労働や休日労働をさせた場合、**労働基準法違反となり「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」**になり得る、と厚労省の用語解説で明記されています。
(根拠:36協定未届の違反と罰則、出典:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo54_1.html) (anzeninfo.mhlw.go.jp)さらに、時間外労働の上限規制に違反した場合等についても、同種の**「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」**が案内されています(罰則が現実に問題になる典型領域)。
(根拠:時間外労働上限違反時の罰則案内、出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf) (厚生労働省)
3-3. 法人(会社)にも及び得るか(両罰)
労基法は、違反行為者だけでなく、法人など事業主も「両罰規定」により処罰する旨が、都道府県労働局(厚労省系サイト)の資料で整理されています。
(根拠:両罰規定の説明(第121条)、出典:https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/var/rev0/0119/5825/2017424121542.pdf) (都道府県労働局)
3-4. 実務上「罰則」に発展する流れ(送検・公表)
厚労省は、労基法違反で送検された事案を公表しており、労働時間(第32条等)・36協定関連違反での送検例が掲載されています。
(根拠:労働基準関係法令違反に係る公表事案、出典:https://www.mhlw.go.jp/content/001527991.pdf) (厚生労働省)
3. 根拠資料一覧(一次・公的)
厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」:
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf(厚生労働省)厚生労働省「職場のあんぜんサイト(用語)三六協定(さぶろくきょうてい)」:
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo54_1.html(anzeninfo.mhlw.go.jp)厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針(関連資料)」:
https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf(厚生労働省)e-Gov電子申請(政府)「時間外労働・休日労働に関する協定届(各事業場単位)」手続概要:
https://shinsei.e-gov.go.jp/recept/procedure/lists/procedureInformation?gtaTetCd=4950013320677(shinsei.e-gov.go.jp)厚生労働省「労働時間・休憩・休日関係」:
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken02/jikan.html(厚生労働省)宮城労働局(厚労省系)資料「労働基準法を(解説資料)」:
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/var/rev0/0119/5825/2017424121542.pdf(都道府県労働局)厚生労働省「令和7年12月26日 労働基準関係法令違反に係る公表事案」:
https://www.mhlw.go.jp/content/001527991.pdf(厚生労働省)
4. 注意事項・リスク
「未届」だけでなく、実態として残業・休日労働をさせた時点で違反が成立し得ます。後から届出しても、過去の違法状態が自動的に適法化されるとは限りません(是正は別)。 (厚生労働省)
36協定があっても、上限規制(原則:月45h・年360h等、特別条項でもさらに要件あり)違反で罰則対象になり得ます。 (厚生労働省)
36協定未届のケースでは、しばしば 割増賃金の未払い(労基法37条) や勤怠不備が同時に問題化し、是正範囲が広がりやすいです(刑事・民事・行政の複合リスク)。
監督署対応としては、通常 指導→是正勧告 の流れが多い一方、悪質・反復・長時間などでは 送検・公表 まで進む可能性があります。 (厚生労働省)
**「誰が処罰対象になるか」**は、指揮命令・権限・関与の実態で見られます。加えて会社も両罰で罰金対象になり得ます。 (都道府県労働局)
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