2026年1月2日金曜日

昨年以前から入社していて、甲欄で給与計算をして12月末まで正社員として働いている従業員は、確定申告するとしても年末調整の対象者だよね?

 

  1. 結論
    はい、そのとおりです。
    前年以前から在籍していて、扶養控除等申告書を提出して甲欄で源泉徴収しており、12月末まで正社員として勤務している従業員は、原則として年末調整の対象者です。
    「本人が確定申告する予定だから」という理由だけで、会社側が年末調整をしないのはNGです。


  1. 思考プロセスと根拠

ステップ1:論点整理

ご質問の前提条件を整理すると、対象者は次のような人です。

  • 昨年以前から入社 → その年を通じて勤務している

  • 甲欄で給与計算 → 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出済み

  • 12月末まで正社員として在籍

  • 本人は「確定申告するつもり」

ここでの論点:

「確定申告をする予定」でも、年末調整の対象から外してよいのか?

ステップ2:年末調整の対象者の確認(適用除外の有無)

国税庁のタックスアンサー「No.2662 年末調整のしかた」では、

年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人です。ただし、2,000万円を超える給与の支払を受ける人は対象になりません。 国税庁

「No.2665 年末調整の対象となる人」では、

12月に行う年末調整の対象となる人は、会社などに1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人。ただし、
(1)その年の給与総額が2,000万円を超える人
(2)災害減免法により徴収猶予等を受けた人
は除かれる。国税庁

さらに、国税庁の案内では、年末調整の対象となっているのは、原則として勤務先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人であると明示されています。国税庁+1

→ ご質問の従業員は

  • 扶養控除等申告書提出済み(=甲欄適用)

  • 12月末まで勤務

  • 給与総額2,000万円超などの除外事由の記載はない

したがって、除外要件には該当しない=年末調整の対象のままです。

ステップ3:確定申告との関係

国税庁「確定申告が必要な方」では、

大部分の方は年末調整により所得税等が精算されるため、申告は不要です。
※確定申告をする場合には、年末調整を受けた給与所得も含めて申告が必要です国税庁

また、各種解説でも、

基本的には年末調整をしている従業員は確定申告不要だが、副業収入がある、医療費控除を受けたいなどの場合は、年末調整を受けた上で本人が確定申告を行う。スモールビジネスを世界の主役に フリー株式会社+1

とされており、
「確定申告する=年末調整を省略してよい」ではなく、
「年末調整+αを確定申告で調整する」という関係
です。

したがって、

  • 会社側:法令に基づき、対象者に対して年末調整を行う義務

  • 従業員:年末調整後であっても、必要があれば自分で確定申告

という役割分担になります。


  1. 根拠資料一覧

  2. 国税庁タックスアンサー No.2662「年末調整のしかた」

    • 年末調整の対象となる人は「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人(ただし給与2,000万円超は除外)とする規定。国税庁

  3. 国税庁タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」

    • 12月に行う年末調整の対象者(1年を通じて勤務/途中入社で年末まで勤務など)と、対象外となるケース(給与2,000万円超など)の明示。国税庁

  4. 国税庁「給与所得者(従業員)の方へ」

    • 年末調整の対象は、原則として「扶養控除等申告書」を提出している人である旨の説明。国税庁

  5. 国税庁「確定申告が必要な方」

    • 年末調整を受けていても、一定の場合には確定申告が必要であり、その際は年末調整済みの給与所得も含めて申告する必要がある旨。国税庁

  6. 民間解説(freee、OBC、MoneyForward 等)


  1. 注意事項・リスク

  • 除外要件の確認は必須

    • 年収2,000万円超の役員などがいないか、災害減免法による徴収猶予者がいないかは、年末調整対象者の洗い出し時に確実に確認する必要があります。国税庁+1

  • 「確定申告したいから年末調整しないでほしい」という要望は原則受けない

    • 会社が法令上の義務を怠ったと評価されるリスクがあります。本人が医療費控除・寄附金控除などを受けたい場合は、年末調整をした上で確定申告してもらう運用を徹底するのが安全です。国税庁+1

  • 扶養控除等申告書未提出者はそもそも対象外

    • 甲欄で計算しているという前提から今回は問題ありませんが、実務では「実は申告書未回収だった」ケースが発覚しがちです。その場合、その年は乙欄・年末調整対象外となり、従業員が確定申告で精算することになります。回収漏れは会社側の法令違反リスクもあります。やよい株式会社+1

  • 2か所以上から給与を受けている場合の扱い

    • 副業先が乙欄で源泉徴収していても、「年末調整をしない理由」にはなりません。主たる給与については通常どおり年末調整を行い、本人に確定申告が必要なパターン(副業分20万円超など)を案内する必要があります。※年末調整対象者の定義自体は変わりません。国税庁+1

  • 実務では従業員への説明も重要

    • 「年末調整しても確定申告できますか?」と聞かれることが多いため、

      • 年末調整はあくまで「給与分の精算」

      • 必要に応じて確定申告で他の所得や控除を足し込む
        という構造を図などで説明しておくと、トラブル防止になります。

0 件のコメント:

コメントを投稿