2026年1月26日月曜日

労働基準法と雇用保険法上の賃金の定義の違いはありますか?

 はい。労働基準法雇用保険法(および雇用保険関係の行政取扱い)では、どちらも賃金の基本的な考え方は共通していますが、定義の範囲や取り扱いが微妙に異なります。違いも踏まえて整理すると以下のとおりです。


✅ 1. 労働基準法における「賃金」の定義

労働基準法(第11条)

労働基準法上の賃金とは、
「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、
労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」
をいいます。(日本法令外国語訳データベース)

✔︎ ポイント

  • 名称に関係なく、 労働の対償として支払われるすべてのもの が賃金となります。(日本法令外国語訳データベース)

  • 労基法上の賃金は、賃金支払5原則や最低賃金等の保護の対象です。(労働局所在地一覧)

  • 現物支給(通貨以外)は賃金として含まれますが、評価方法は別途定められることがあります(労働保険徴収法等を見る必要あり)。(シャログイットナオ)


✅ 2. 雇用保険法における「賃金」の定義

雇用保険法では、基本的に労働の対償として支払われるものを賃金としますが、適用範囲の明確化や除外が規定されています。

厚生労働省の取扱い解説より

雇用保険法における賃金とは、
「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、
労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのもの」
ただし、通貨以外で支払われるものについては省令で範囲が定められる。(厚生労働省)

✔︎ ポイント

  • 基本的な考え方は労基法と同じ:労働の対償として支払われるもの。(厚生労働省)

  • ただし、通貨以外(現物給与)の扱いが明確化されています。
    → 厚生労働省令で範囲が限定され、それ以外は賃金に含まれない場合がある。(厚生労働省)

  • 雇用保険での「賃金」は、保険料計算や基本手当日額の算定基礎額として使われるため、 労基法上の“すべての賃金”がそのまま使えるわけではないという点に注意が必要です。(厚生労働省)


✅ 3. 具体的な違い(比較)

観点労働基準法雇用保険関連(雇用保険法/労働保険料)
基本定義労働の対償として支払われる全て同じく労働の対償として支払われる全て
名称名称を問わない名称を問わない
現物給与法的には賃金に含むが評価方法が別省令で範囲を限定。限定外は賃金に含まない可能性あり
例外一部祝金、見舞金等は慣習等で判断慶弔金等は雇用保険賃金に含まれない扱いになることがある
用途賃金支払原則、最低賃金、未払賃金請求等保険料、給付額の計算基礎

✍️ まとめ(図解)

🧾 労働基準法

  • 全額が賃金として扱われる

  • 使用者の労働対償は幅広く対象

  • 支払方法や支給条件は問わない

📊 雇用保険

  • 基本的には労基法に準じる

  • ただし現物給与の取り扱いが限定される
    → 厚生労働省令で範囲が決まる

  • 保険料計算・給付計算に使うための実務的な定義


📌 実務上の注意

  • 祝金・見舞金・慶弔金などは、労基法上は賃金に含まれる可能性がある一方、雇用保険上は賃金に含まれない扱いになる場合があります(省令の適用など)。(S-PAYCIAL)

  • **現物給与(食事・住居など)**は、雇用保険では省令で定められる範囲に限って賃金と扱われる点に注意。(厚生労働省)


もし次に「雇用保険の賃金に含まれる/含まれない具体例」や「労基法で賃金に該当するが雇用保険賃金には該当しないもの一覧」も知りたい場合は、具体例付きで解説できます。

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